娯楽の基本書

東京大学大学院法学政治学研究科在学中。司法試験、予備試験、ロー入試攻略サイト(途上)。

2020-06-13から1日間の記事一覧

予備試験H27民法

第1.設問1 1.FのBに対する所有権に基づく返還請求権としての甲建物の明渡請求権は認められるか。①F所有、②B占有が請求原因となる。本件では、Bは甲建物で工芸品の製作をしながら、現在、甲建物を占有している(②)。そして、本件ではAB間で本件贈与契約…

予備試験H27民事訴訟法

第1.設問1 1.判例は実体法上の請求権ごとに訴訟物を異にするという旧訴訟物理論をとっている。ここで、財産的損害は民法709条、精神的損害は710条に規定されてあるため、両損害の賠償請求権は民法上請求権を異にし、訴訟物を異にするとも思える。…

予備試験H27民事実務基礎科目

第1.設問1 1.(1)について (1)被告は、原告に対し、本件土地について、平成26年9月1日売買を原因とする所有権移転登記手続をせよ。被告は、原告に対し、本件土地を引き渡せ。 (2)本件ではXはY「代理人」(民法99条1)Aとの売買契約(民…

予備試験H27商法

第1.設問1 1.(1)について EのA・Cに対する会社法(以下略)429条1項に基づく損害賠償請求権は認められるか。①「役員等」、②任務懈怠、③「悪意又は重大な過失」、④「第三者」の「損害」、⑤②④の因果関係が要件となる。 (1)AはX社の代表取締役で…

予備試験H27行政法

第1.設問1 1.本件指定は「行政庁の処分」(行政事件訴訟法(以下略)3条2項)に当たり、処分性が認められないか。 (1)「行政庁の処分」とは、公権力の主体たる国または公共団体が行う行為の内、その行為によって、直接国民の権利義務を形成しまた…

予備試験H27憲法

第1.設問1について 1.私は、憲法(以下略)98条、76条3項、99条から違憲審査権は抽出されないと考える。以下理由を述べる。 2.98条について 違憲審査権の効用は、憲法適合性の審査である(81条)。そして、98条は確かに「効力を有しない…

予備試験H27刑法

第1.甲の罪責 1.甲が用度品購入用現金から50万円を取り出して丁に渡した行為について、業務上横領罪(刑法(以下略)253条)の共同正犯(60条)が成立しないか。 (1)「業務」とは、社会生活上反復継続して行われる事務であり、委託を受けて物…

予備試験H27刑事訴訟法

第1.設問1 1.まず、①②③が「強制の処分」(刑事訴訟法(以下略)197条1項但書)にあたり、法律の根拠規定を要しないか。 (1)現行刑訴法の「強制の処分」である逮捕(199条1項)、捜索、差押え、検証(218条1項)は、憲法33条、35条が…

予備試験H27刑事実務基礎科目

第1.設問1 1.(1)について ③意見は、類型証拠開示(刑事訴訟法(以下略)316条の15第1項)を受けた後の公判全整理手続におけるものである。よって、316条の16第1項に基づいて、③のような同意、意義の有無を明らかにする必要がある。 2.…

中大ロー ステメン

1.私が弁護士を目指したきっかけ 私が弁護士目指した動機は、弁護士という職業への興味と、環境である。私は高校時代に、弁護士である先輩の業務に関するお話を聞ける機会があった。そこで、弁護士の業務内容に興味を持つようになった。それからは、弁護士…

中大2020民法再現

第1.設問1 1.(ア)について AのCに対する所有権に基づく甲カメラの返還請求権に対して、Cは甲カメラを即時取得(民法192条)したと反論することが考えられる。その要件は、①「取引行為」、②①に基づく引き渡し、③「平穏」「公然」、④「善意」、⑤無「…

中大2020民訴再現

第1.設問①について 1.本件では、Xは本訴を提起しているにもかかわらず、本訴債権を自動債権とする相殺の抗弁を別訴で提出している。この相殺の抗弁は「訴え」(民事訴訟法142条)にはあたらないが、同条を類推適用できないか。 (1)同条の趣旨は、…

中大2020商法再現

第1.設問(1) 1.前提として、甲会社の乙会社からの5億円の借入れ(以下、本件借入れ)は「多額の借財」(会社法362条4項2号)にあたり、甲社では取締役会決議を要しないか。 (1)「多額」であるかは個別的事情を考慮して判断せざるを得ないた…

中大2020憲法再現

第1.設問1 1.本件不許可処分はXらの集会の自由(憲法21条)を侵害し、違憲といえないか。 (1)「集会」とは、不特定多数者が一定の場所において事実上集まる一時的な集合体である。「やっぱりいらない東京オリンピック全国総決起集会」(以下、本件…

中大2020刑法再現

第1.乙の罪責 1.乙がAの頸部を押さえつけて死亡させた行為について、傷害致死罪(刑法205条)が成立しないか。「傷害」とは、人の生理機能を侵害することをいう。本件では、乙はAの頸部の生理機能を侵害しており、「傷害」といえる。また、Aは「死亡…

中大2020刑訴再現

第1.2項の取調べについて 1.同取調べによる身柄拘束は「強制の処分」(刑事訴訟法(以下略)197条1項但書)である実質的逮捕にあたり、令状発付のない本件では令状主義(199条1項本文、憲法33条)違反とならないか。 (1)現行刑訴法の「強…

中大2019民法

第1.設問1 1.BのFに対する賃貸借契約の終了に基づく目的物返還請求権としての建物収去土地明渡請求権は認められるか。本件では、EはFに対して本件建物を譲渡しているため、従たる権利(民法87条2項類推適用)である甲土地の賃借権を取得している。そ…

中大2019民訴

第1.問1 1.600万円の支払いを命じることは、申立事項拘束主義(246条)に反しないか。「申し立てていない事項」といえないか。 (1)同条の趣旨は、訴訟物の特定について当事者が自由に決定できる処分権主義の側面を示す点にある。そうすると、…

中大2019商法

第1.(1)について 1.①について 本件株主総会の不存在確認の訴え(会社法830条1項)は認められるか。「決議が存在しない」の意義が問題となる。 (1)同項の趣旨は、決議内容の法令違反(同2項)よりも決議の瑕疵が著しい場合に、法的安定性を犠…

中大2019憲法

第1.制度Aについて 1.制度Aは憲法14条1項に反し、違憲とならないか。 (1)すべての者を機械的に均一的に扱うことはかえって不合理な結果をもたらすことから、「平等」(同項)とは、等しい者は等しく、等しくない者は程度に応じて等しくなく扱う相…

中大2019刑法

第1.甲の罪責について 1.甲がAの胸元にハンターナイフを突きつけて顔を殴ってから財布とカバンを奪った行為について強盗致死罪(刑法240条前段、236条1項)が成立しないか。 (1)「暴行」とは、犯行抑圧程度の不法な有形力の行使である。 本件…

中大2019刑訴

第1.(1)について 1.本件で覚せい剤を差し押さえることは、令状主義(刑事訴訟法(以下略)218条、憲法35条1項)に反し、違法とならないか。 (1)令状主義の趣旨は、捜査機関から独立した司法機関による事前の司法審査によって不当な人権侵害…