娯楽の基本書

東京大学大学院法学政治学研究科在学中。司法試験、予備試験、ロー入試攻略サイト(途上)。

事例演習刑事訴訟法 設問14

第1.設問1

1.本件訴因は特定されているか(刑事訴訟法(以下略)256条3項参照)。

(1)訴因の機能は、裁判所に対して審判対象を画定し、その範囲でのみ被告人に対して防御範囲を明示する点にある。そうすると、訴因が特定されているといえるには、①特定の犯罪構成要件に該当すると判定するに足る具体的事実、②他の犯罪事実と区別するに足りる事実の記載を要する。

(2)本件では、XとYがVの頭部を殴打するという行為、死亡するという結果が記載されており、傷害致死罪(刑法205条)という構成要件に該当する事実が記載されている(①)。また、Vの死は社会的に一回であるため、他の犯罪事実との区別も可能である(②)。

2.したがって、本件訴因は特定されているため、訴因が不特定であることを理由としては訴因変更(312条1項)を許可しないことはできない。

以上