娯楽の基本書

東京大学大学院法学政治学研究科在学中。司法試験、予備試験、ロー入試攻略サイト(途上)。

2020-06-11から1日間の記事一覧

予備試験H24民法

第1.設問1 1.(1)について Aに資力があり執行が容易であることを証明すれば、BはAの財産について執行することを主張できるか。BはAから依頼を受けて乙建物に抵当権を設定した者であり、物上保証人である(民法(以下略)372条、351条)ことから…

予備試験H24民事訴訟法

第1.設問1 1.第1訴訟では、修習生Bのいうように売買契約に基づく150万円の代金支払請求権の存在について既判力が生じている。このように生じた既判力が第2訴訟に及び、Yの①②の主張が制限されないか。 2.前提 既判力とは、確定判決の判断内容の後…

予備試験H24民事実務基礎科目

第1.設問1 1.(1)について (1)足りると考える。 (2)Yは「相殺する」と発言していることから、本件抗弁は相殺(民法505条1項)の抗弁である。相殺の抗弁の要件は、a相対立する債権の存在、b「同種の目的」、c「双方の債務が弁済期にある」、…

予備試験H24商法

第1.設問1 1.本件では、X社において本件売買契約について取締役会で承認・決定がされていない。そこで、X社は「取締役設置会社」(会社法(以下略)365条1項)であるから、同契約が利益相反取引(356条1項2号、3号)にあたれば365条、35…

予備試験H24行政法

第1.実体法上の違法事由について 1.本件では、Aが「市長」Bの「確認」を受けないで「排水設備の新設等」(本件条例9条)をしたという違反が、「条例…の規定」の「違反」(本件規則11条)とされたことが本件処分の理由となっている。もっとも、本件工事を…

予備試験H24憲法

第1.設問1 私は訴訟代理人として①最高裁判所国民審査法(以下、法)15条1項が、憲法(以下略)79条2項ないし4項に反し違憲である点、②法15条1項が表現の自由(21条1項)を制約し違憲である点を主張する。 1.①について 本件では、法15条…

予備試験H24刑法

第1.甲の罪責 1.甲がX車をY車に衝突させて乙に怪我を負わせた行為に傷害罪(刑法(以下略)204条)が成立しないか。 (1)「傷害」とは、人の生理的機能に障害を加えることをいう。 本件では、乙は加療2週間の頸部捻挫をしている。よって、頸部の機…

予備試験H24刑事訴訟法

第1.おとり捜査の適法性 1.おとり捜査とは、捜査機関又はその依頼を受けた捜査協力者が、その身分や意図を相手方に秘して犯罪を実行するように働き掛け、相手方がこれに応じて犯罪の実行に出たところで現行犯逮捕等により検挙する捜査手法である。 本件…

予備試験H24刑事実務基礎科目

第1.設問1 1.本件では、被害者Vが、甲が犯人であるとの供述をしているわけではなく、直接証拠がない。よって、間接証拠の積み重ねで甲の犯人性を推認する。 2.犯人性を肯定する事情 (1)まず、本件では犯行時にひもとガムテープが用いられている。…

予備試験H23民法

第1.設問1 1.DのCに対する所有権に基づく返還請求権としての甲土地明渡し請求権は認められるか。請求原因は、①D所有、②C占有である。Cは甲土地上に乙建物を所有して甲土地を占有している(②)。AB間の売買契約(民法(以下略)555条)は差し押さえを…

予備試験H23民事訴訟法

1.本件では、Xの提起した売買契約に基づく代金支払請求訴訟の訴状の被告欄には、Yが表示されていた。Yは平成22年4月3日に死亡しているから、Yが当事者だとしたら翌々日である同月5日に送達された訴状は「被告」に対するものとはいえず、訴訟が継続し…

予備試験H23民事実務基礎科目

第1.設問1 1.本件では、Xの相談内容からすると、AのYに対する消費貸借契約(民法587条)に基づく貸金返還請求権をAからXが売買契約(同555条)によって買い取ったため、XはYに対して100万円を請求したいと考えている。これは、譲受債権(同4…

予備試験H23商法

第1.設問1 1.平成23年3月25日の取締役会決議は有効か。本件では「取締役」のBに対して招集通知が発せられておらず、会社法(以下略)368条1項に反し、無効とならないか。 (1)法の一般原則に従い、取締役会の招集手続に瑕疵があった場合は、…

予備試験H23行政法

第1.設問1 1.本件不同意決定は、「行政庁の処分」(行政事件訴訟法(以下、行訴)3条2項)にあたるか。 (1)「行政庁の処分」とは、公権力の主体たる国又は公共団体のうち、その行為によって、直接国民の権利義務を形成し又はその範囲を確定するこ…

予備試験H23憲法

第1.設問1 1.私は本件制度によってA大学法科大学院に入学することのできる地位が害されているとして、それの地位を確認する実質的当事者訴訟(行政事件訴訟法4条後段)を提起する。憲法上の主張として、本件制度は男女を差別するものとして平等原則(…

予備試験H23刑法

1.甲が乙の首を絞めた行為について、嘱託殺人罪(刑法(以下略)202条後段)が成立しないか。 (1)本件では、乙は「人」である。また、「早く楽にして。」と発言していることから、自らの殺人を依頼しているといえ、甲は「嘱託を受け」たといえる。も…

予備試験H23刑事訴訟法

第1.設問1 1.本件では、捜索差押許可状の「罪名」(刑事訴訟法(以下略)219条1項)として、「覚せい剤取締法違反」という記載のみで、被疑事実である譲渡に関する記載がない。このような概括的記載であっても「罪名」が特定(同項)されているとい…

予備試験H23刑事実務基礎科目

第1.設問1 1.本件では、甲は逮捕後に自らはキャリーバッグを盗んでいないと主張しており、自白がない。他に直接証拠もないことから、間接事実の積み重ねで犯人性を推認する。 2.甲に不利な事実 本件では、乙が電車を待つ間男が乙をうかがいながらホー…

慶応2020民法

第1.設問1 1.本件では、AはBの本件賃貸借契約に基づく用法遵守義務(現行民法616条、594条1項)違反による本件賃貸借契約の解除(540条1項、543条本文)を主張し、本件建物の明渡しを請求することが考えられる。 本件賃貸借契約上、Bは本…

慶応2020民訴

第1.問1 1.本件前訴確定判決の既判力は、本件後訴でのYの150万円の債権が存在しないとのYの主張を排斥しないか。 (1)既判力とは、確定判決の判断内容の後訴での拘束力をいう。その趣旨は、紛争の蒸し返しの防止にあり、手続保障が与えられたたこ…

慶応2020商法

第1.問1 1.YのXに対する会社法429条1項に基づく損害賠償責任は認められるか。要件は、①「役員等」、②任務懈怠、③「悪意又は重大な過失」、④「損害」、⑤②④の因果関係である。 (1)Yは取締役であり、「役員等」である(①)。 (2)Yは貴金属の加工…

慶応2020憲法

1.本件申請の不許可処分はXの集会の自由(憲法(以下略)21条1項)を侵害し、違憲とならないか。 (1)「集会」とは、特定又は不特定の多数人が、一定の場所において事実上集まる一時的な集合体をいう。本件集会は捕鯨・イルカ漁の賛成派・反対派とい…

慶応2020刑法

第1.問題1 ① 221条、220条後段 監禁には死の危険がありそれらに因果関係があるため ②108条、43条但書 責任の減少が認められるため ③60条、130条前段、236条1項 共犯関係の解消が認められないため ④不可罰 死亡しなかったことが十中八…

慶応2020刑訴

第1.(1)について 刑事訴訟法319条1項、320条1項、326条1項、322条1項 第2.(2)について 1.本件書面にはXの本件に関する自白が録取されており、これは「任意にされたものでない疑のある自白」(319条1項)といえ、本件書面の…

慶応2019民法

第1.設問1 1.EのBに対する所有権に基づく返還請求権としての甲土地の明渡請求権は認められるか。請求原因は①E所有、②B占有である。 2.本件では、AはBに甲土地を贈与(民法549条)しており、Bは甲土地の所有権を取得している(176条)。一方で、…

慶応2019民訴

第1.問1 1.裁判所がBによる売買代金の弁済を認定したことは、弁論主義第1テーゼに反し、許されないのではないか。 (1)弁論主義とは、判決の確定に必要な資料の収集・提出を当事者の権能・責任とする建前をいう。その趣旨は私的自治の訴訟法的反映に…

慶応2019商法

第1.問1 1.Aらは本件取締役会開催についてXに知らせていないため、「代表取締役」(会社法349条4項)であり「取締役会を招集する者」(368条1項)であるAがXに「通知を発し」ておらず、招集手続の法令違反がある。ここで、瑕疵のある取締役会決…

慶応2019憲法

1.特例法3条1項4号は、Xのような性同一性障害を持つ者の生殖腺を除去する手術を受けるか否かについての意思決定の自由(以下、本件自由、憲法(以下略)13条後段)を侵害し、違憲とならないか。 (1)「幸福追求…権」の内容を広くとらえれば人権の価…

慶応2019刑法

第1.問題1 ①199条 ②236条2項、240条後段 ③252条1項 ④60条、252条1項 ⑤235条 第2.問題2 1.XがAのバッグを取って走り去った行為について、窃盗罪(235条)が成立しないか。 (1)バッグはAの所有物であり、「他人の財物」…

慶応2019刑訴

1.設問1について 刑事訴訟法220条3項、同1項1号 2.設問2について 199条1項、201条2項、73条3項本文 3.設問3について 本件ではXはA宅2階のベランダで「逮捕」(220条1項柱書)されている。ここで、「逮捕の現場」(同1項2号…