娯楽の基本書

東京大学大学院法学政治学研究科在学中。司法試験、予備試験、ロー入試攻略サイト(途上)。

予備試験(H23-R1)

予備試験H24憲法

第1.設問1 私は訴訟代理人として①最高裁判所国民審査法(以下、法)15条1項が、憲法(以下略)79条2項ないし4項に反し違憲である点、②法15条1項が表現の自由(21条1項)を制約し違憲である点を主張する。 1.①について 本件では、法15条…

予備試験H24刑法

第1.甲の罪責 1.甲がX車をY車に衝突させて乙に怪我を負わせた行為に傷害罪(刑法(以下略)204条)が成立しないか。 (1)「傷害」とは、人の生理的機能に障害を加えることをいう。 本件では、乙は加療2週間の頸部捻挫をしている。よって、頸部の機…

予備試験H24刑事訴訟法

第1.おとり捜査の適法性 1.おとり捜査とは、捜査機関又はその依頼を受けた捜査協力者が、その身分や意図を相手方に秘して犯罪を実行するように働き掛け、相手方がこれに応じて犯罪の実行に出たところで現行犯逮捕等により検挙する捜査手法である。 本件…

予備試験H24刑事実務基礎科目

第1.設問1 1.本件では、被害者Vが、甲が犯人であるとの供述をしているわけではなく、直接証拠がない。よって、間接証拠の積み重ねで甲の犯人性を推認する。 2.犯人性を肯定する事情 (1)まず、本件では犯行時にひもとガムテープが用いられている。…

予備試験H23民法

第1.設問1 1.DのCに対する所有権に基づく返還請求権としての甲土地明渡し請求権は認められるか。請求原因は、①D所有、②C占有である。Cは甲土地上に乙建物を所有して甲土地を占有している(②)。AB間の売買契約(民法(以下略)555条)は差し押さえを…

予備試験H23民事訴訟法

1.本件では、Xの提起した売買契約に基づく代金支払請求訴訟の訴状の被告欄には、Yが表示されていた。Yは平成22年4月3日に死亡しているから、Yが当事者だとしたら翌々日である同月5日に送達された訴状は「被告」に対するものとはいえず、訴訟が継続し…

予備試験H23民事実務基礎科目

第1.設問1 1.本件では、Xの相談内容からすると、AのYに対する消費貸借契約(民法587条)に基づく貸金返還請求権をAからXが売買契約(同555条)によって買い取ったため、XはYに対して100万円を請求したいと考えている。これは、譲受債権(同4…

予備試験H23商法

第1.設問1 1.平成23年3月25日の取締役会決議は有効か。本件では「取締役」のBに対して招集通知が発せられておらず、会社法(以下略)368条1項に反し、無効とならないか。 (1)法の一般原則に従い、取締役会の招集手続に瑕疵があった場合は、…

予備試験H23行政法

第1.設問1 1.本件不同意決定は、「行政庁の処分」(行政事件訴訟法(以下、行訴)3条2項)にあたるか。 (1)「行政庁の処分」とは、公権力の主体たる国又は公共団体のうち、その行為によって、直接国民の権利義務を形成し又はその範囲を確定するこ…

予備試験H23憲法

第1.設問1 1.私は本件制度によってA大学法科大学院に入学することのできる地位が害されているとして、それの地位を確認する実質的当事者訴訟(行政事件訴訟法4条後段)を提起する。憲法上の主張として、本件制度は男女を差別するものとして平等原則(…

予備試験H23刑法

1.甲が乙の首を絞めた行為について、嘱託殺人罪(刑法(以下略)202条後段)が成立しないか。 (1)本件では、乙は「人」である。また、「早く楽にして。」と発言していることから、自らの殺人を依頼しているといえ、甲は「嘱託を受け」たといえる。も…

予備試験H23刑事訴訟法

第1.設問1 1.本件では、捜索差押許可状の「罪名」(刑事訴訟法(以下略)219条1項)として、「覚せい剤取締法違反」という記載のみで、被疑事実である譲渡に関する記載がない。このような概括的記載であっても「罪名」が特定(同項)されているとい…

予備試験H23刑事実務基礎科目

第1.設問1 1.本件では、甲は逮捕後に自らはキャリーバッグを盗んでいないと主張しており、自白がない。他に直接証拠もないことから、間接事実の積み重ねで犯人性を推認する。 2.甲に不利な事実 本件では、乙が電車を待つ間男が乙をうかがいながらホー…