娯楽の基本書

東京大学大学院法学政治学研究科在学中。司法試験、予備試験、ロー入試攻略サイト(途上)。

2020-06-01から1ヶ月間の記事一覧

中大2019民法

第1.設問1 1.BのFに対する賃貸借契約の終了に基づく目的物返還請求権としての建物収去土地明渡請求権は認められるか。本件では、EはFに対して本件建物を譲渡しているため、従たる権利(民法87条2項類推適用)である甲土地の賃借権を取得している。そ…

中大2019民訴

第1.問1 1.600万円の支払いを命じることは、申立事項拘束主義(246条)に反しないか。「申し立てていない事項」といえないか。 (1)同条の趣旨は、訴訟物の特定について当事者が自由に決定できる処分権主義の側面を示す点にある。そうすると、…

中大2019商法

第1.(1)について 1.①について 本件株主総会の不存在確認の訴え(会社法830条1項)は認められるか。「決議が存在しない」の意義が問題となる。 (1)同項の趣旨は、決議内容の法令違反(同2項)よりも決議の瑕疵が著しい場合に、法的安定性を犠…

中大2019憲法

第1.制度Aについて 1.制度Aは憲法14条1項に反し、違憲とならないか。 (1)すべての者を機械的に均一的に扱うことはかえって不合理な結果をもたらすことから、「平等」(同項)とは、等しい者は等しく、等しくない者は程度に応じて等しくなく扱う相…

中大2019刑法

第1.甲の罪責について 1.甲がAの胸元にハンターナイフを突きつけて顔を殴ってから財布とカバンを奪った行為について強盗致死罪(刑法240条前段、236条1項)が成立しないか。 (1)「暴行」とは、犯行抑圧程度の不法な有形力の行使である。 本件…

中大2019刑訴

第1.(1)について 1.本件で覚せい剤を差し押さえることは、令状主義(刑事訴訟法(以下略)218条、憲法35条1項)に反し、違法とならないか。 (1)令状主義の趣旨は、捜査機関から独立した司法機関による事前の司法審査によって不当な人権侵害…

予備試験H26民事訴訟法

第1.設問1 1.本件では、XはYに対する所有権に基づく返還請求権としての建物収去土地明渡請求権とZに対する所有権に基づく返還請求権としての建物退去土地明渡請求権を提起する。同請求はYが乙建物を所有し、甲土地を占有しているという「同一の事実上及…

予備試験H26民事実務基礎科目

第1.設問1 1.(1)について 被告は、原告に対し、甲土地について、平成15年12月1日贈与を原因とする所有権移転登記手続をせよ。 2.(2)について 足りると考える。本件訴訟物は贈与契約(民法(以下略)549条)に基づく所有権移転登記請求…

予備試験H26商法

第1.設問1 1.本件では、X社の取締役のBが株式の90%を有するY社がX社へ5億円の金融をする際に、Bが取締役会に出席している。ここで、Bが「特別の利害関係」(会社法(以下略)369条2項)を有し、取締役会が無効となる結果借り入れも無効とならな…

予備試験H26行政法

第1.設問1 1.行政事権手続法(以下、行手)上の利点 本件不許可処分を占用許可申請を拒否する処分と理解する法律論(以下、①)では、その申請は法39条1項に基づく「申請」(行手2条3号)ととらえられるため、本件不許可処分は申請に対する処分とな…

予備試験H26憲法

※21条1項、22条1項パターン 第1.設問1 本条例は憲法(以下略)21条1項の消極的結社の自由、22条1項の営業の自由に反し、違憲であると主張する。 1.21条1項について 同項は積極的な結社の自由を保障しており、表裏の関係にあるものとして…

予備試験H26刑法

第1.甲の罪責 1.甲がVに仏像を引き渡させた行為について詐欺罪(刑法(以下略)246条1項)が成立しないか。 (1)「欺」く行為とは、交付の判断の基礎となる重要な事項を偽ることをいう。 本件では、「金は持ってきた」「鑑定人が待っている」とい…

予備試験H26刑事訴訟法

第1.自白法則(刑事訴訟法(以下略)319条1項、憲法38条2項)について 1.本件ではKは甲に対し、「君が話した内容は…私の胸にしまっておく」と言っており、結果甲は自白に転じている。よって、「任意にされたものでない」(319条1項)といえ、…

予備試験H26刑事実務基礎科目

第1.設問1 1.刑事訴訟規則208条3項に基づいて、「訴訟関係人」であるAの弁護人は裁判長に対して「釈明を求め」(同1項)るように要求する。 2.求釈明を求める事項 (1)本件証明予定事実記載書(以下、同書)の第1の3には、「強盗の共謀を遂…

予備試験H25民事訴訟法

第1.説問1(1)アについて 1.本件では、Bは甲債権の存在を争うとともに、Cへの乙債権の弁済を求めようとしている。ここでBは、乙債権は自己に帰属すると主張しているため独立当事者参加の権利主張参加(民事訴訟法(以下略)47条1項後段)をするこ…

予備試験H25民事実務基礎科目

第1.設問1 1.(1)について 本件占有権限の抗弁は、AB間の転貸借契約に基づくものである。転貸借契約は適法な賃貸借契約を前提とするものであり、賃借人(転貸人)の占有権限も抗弁事実に含まれる。また、賃貸借契約が諾成契約であることから、賃貸人…

予備試験H25商法

第1.設問1 1.AはAの取締役の地位を解任する議案を可決する決議を取り消す(会社法(以下略)831条1項)ことはできないか。 (1)AはY社の株式の15%を有する「株主」(同柱書)である。よって、本件総会の日である平成24年6月29日から「三…

予備試験H25行政法

第1.設問1 1.本件では、Cは本件マンションの設計を変更させることが必要不可欠であると考えており、A市長に本件マンションの設計の変更命令(景観法17条1項)をしてもらいたいと考えているといえる。そうすると、Cは「行政庁が…処分…をすべき旨を命…

予備試験H25憲法

第1.憲法上の主張 1.甲案は、「世襲」議員の立候補の自由(憲法(以下略)15条1項)を侵害するものとして、違憲である。 (1)同項は公務員の選挙権を定めているが、これと表裏の関係にある自らが立候補する自由も同項により保証される。「世襲」で…

予備試験H25刑法

第1.Vに現金50万円を振り込ませた行為 1.甲の罪責 甲の上記行為について、詐欺罪(刑法(以下略)246条1項)が成立しないか。 (1)「欺」く行為とは、交付の判断の基礎となる重要な事項を偽ることをいう。 本件では、甲は息子でないのに息子であ…

予備試験H25刑事訴訟法

第1.説問1 1.裁判長は甲の弁護人から実行行為者について明らかにすることを内容とする求釈明要求(刑事訴訟規則208条3項)を受けた場合、検察官への釈明義務(同1項)は生じるか。本件訴因が特定(刑事訴訟法(以下略)256条3項参照)されてい…

予備試験H25刑事実務基礎科目

1.勾留の要件は、①「罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由」(刑事訴訟法(以下略)207条1項、60条1項柱書)、②同各号該当事由、③勾留の必要性(87条1項)である。 2.①について (1)本件では、Vが目を覚ますとXが箱ごと無くなっていたの…

中大2018民法

第1.説問1 1.まず、本件ではA会社とD市との間では売掛債権を譲渡・担保設定等ができない旨合意されており、D市はC会社からの請求に対して譲渡禁止特約(民法466条2項)の抗弁を主張することが考えられる。もっとも、譲渡禁止特約は債権譲渡自由の原…

中大2018民訴

第1.設問1 1.(ア)について 本件では「原告」(民事訴訟法158条)Xは「最初にすべき口頭弁論の期日」である第1回口頭弁論に欠席している。よって、Xの提出した訴状記載の貸金返還請求を求める旨の陳述が同条によって擬制され、「出頭した相手方」…

中大2018商法

第1.(1) 1.①について 甲社の定款には、「当社の株式を譲渡するには、取締役会の承認を要する。」との定めがある。そうすると、甲社の株式は、甲社が「譲渡による…株式の取得について」甲社の「承認を要する旨の定めを設けている」(会社法2条17号…

中大2018憲法

1.児童ポルノに当たる画像を送信するよう未成年者に対して求める行為を処罰する法律(以下、本件法律)は、未成年者の表現の自由(憲法21条1項)を侵害するものとして違憲である。 (1)「表現」とは、内心の外部への表出行為である。児童ポルノに当た…

中大2018刑法

第1.設問1 1.甲の覚せい剤取得行為には詐欺罪(刑法246条1項)が成立しないか。 (1)「欺」く行為とは、交付の判断の基礎となる重要な事項を偽ることを言う。本件では、甲は乙に対して528号室にいない覚せい剤の買主を、いると偽っている。買…

中大2018刑訴

第1.①について 1.①は準現行犯逮捕(刑事訴訟法212条2項)であるといえないか。そうであれば甲は「現行犯人」(213条)であり、①は適法である。本件では212条2項1号ないし3号に該当する事情はない。もっとも、Kらが「こんばんは。どうしまし…

中大2017民訴

1.(1)について (1)訴訟物とは、原告の主張する一定の権利または法律関係をいう。 (2)本件では、原告である甲は乙への貸金返還債務が150万円を超えて存在しないことを主張しているため、債権全体の額である1000万円から150万円を引いた…

中大2017商法

第1.設問1 1.本件売買はAと甲社の直接取引(会社法356条1項2号)といえ、「取締役会設置会社」(2条7号)である甲社では「取締役会」の「承認」を要しないか(365条1項、356条1項柱書)。Aは甲社の代表「取締役」(同項2号)である。も…